汽車は闇を抜けて

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『四月になれば彼女は彼は』いよいよ、今日から後半戦です。
三重、京都公演を終え、手応えも収穫も反省もあったのですが、舞台自体に少し余計な筋肉がついてきた気もしたので、ほぐすように、絞るように稽古を重ねてきました。
何度も上演していると、気づかないうちに「形」にまとまってきてしまいます。もともと、そこにだけは辿り着かないようにするのがテーマと言っていい舞台です。アドリブを入れることなく、「気持ちを新鮮に」と内面化で完結することなく、相手役と向かい合い、揺らぎが生まれるよう、演技する。
何度も稽古や本番を重ねたことで、今また難しい段階に入った気がします。
もっとスリリングにしたい。自分自身、スリリングに身を置きたい。

『四月になれば〜』稽古と同時に次回公演『果実』の準備もスタートしました。
活動だいたい10周年記念公演第1弾として、8月下旬に公演します。
チラシの撮影を行いました。主役の桃太郎を演じるのは深浦佑太と村上義典という、「過去に桃太郎を演じた二人」によるダブルキャスト公演です。ヒロイン、杏には楽団初登場になる塚本奈緒美さんを迎えての公演になります。
再演希望がとても多い『果実』。エモーショナルな舞台ですが、エモーションに淫することなく、クリアな舞台にしたいと思います。その為に、今回更なる新たな試みとして舞台美術を苫小牧在住の美術家、藤沢レオさんにお願いしました。レオさんの静かで、クリアな美術に拮抗する舞台にしたいと思います。
11月にはだいたい10周年記念公演第2弾が控えてます。
こちらもビッグなお知らせ、がいくつもあります。一言だけ。弦巻の台本ではない、あの名作に挑みます。

演劇の地域性について考えています。
少なからず演劇を教える、と言う仕事をしている以上避けられない問いだと思っています。
仕事として各地に赴くと、様々な市民劇団の魅力的な作品や集団に出会います。
そうした彼らからのフィードバックを、どう自分の、弦巻楽団の舞台に昇華させるか、ずっと考えてきました。結構激しく。ある種の闘いとして。
そこに生きる人間で生み出される演劇。その舞台のレベルの向上を目指し、修練を積み重ねることは当然の欲求であり、間違ったことではない筈です。でも心のどこかに、自分は「既にある演劇」を尺度にして「向上」を捉えていないか、と疑念が浮かびます。もしそうなら、それは「地域に生きる人間の臭み」みたいなものを漂白してるだけで、「既にある演劇」、言ってしまえば「どこにでもある演劇」を作っているだけではないか。
そうした内なる疑念と、ここ数年闘ってきました。

かといって、戯曲の要望を逸脱するような「臭み」を押し出した舞台、と言うのも(自分が目指す舞台とは)違う気がします。ウェルメイドコメディがあくまで一つの指針であり、「完成度の高い舞台」を目指したい気持ちが自分には紛れもなくあります。

まとめると
「地域に生きる人間」だからこそ生まれる舞台でありながら、それを押し出さず完成度の高い間口の広い舞台。
を、模索してると言えます。

結論はまだありません。そもそも自分が納得し、把握できるような「地域に生きる人間」の本質、言い変えれば「道民」の本質な訳ですが、そんなものは結局大したものじゃないかもしれない。
意識しても捉え切れるものじゃないかもしれない。
なによりその本質は、自分程度の人間に「漂白される」ようなちっぽけなものじゃないだろう。
そう考え、モヤモヤをとりあえず振り切り、信じる舞台に向かって取り組んでいこうと思い立った旅立ちの朝です。少なくとも、弦巻楽団の舞台はそう考えて魂を込めていこう。
自分で把握出来なくても(しなくても)、それはどこかに滲み出てしまうものだと思いながら。

そう思えたのも『四月になれば彼女は彼は』を通してでした。
台本を通して滲み出るもの。
それが表す広がり。豊饒さ。
そこに演劇の魅力を感じ、演出の焦点を発見したのが、考えるとこの作品でした。
また新たな旅に出て、舞台を通してアフタートークゲストの方々や、
観客とどんな反応や感想、意見をもらえるか。
何が広がるか。
ひょっとしたら、そこに思わぬ地域性を発見されるかもしれない。

 

 

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楽団新人は7月5日から「あけぼの学校祭」でリーディング公演を行います。

作品は名作『子供のように話したい』!!

あけぼの学校祭 → 詳細

 

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劇団パーソンズの能登谷さんの結婚式で。ポニョカラーのまいちぃと岩杉夏の姉御。

 

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池江蘭が久しぶりに稽古場に。

 

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戯曲講座の受講生が40歳バースデーを祝ってくれました。

 

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『果実』チラシ撮影に集まった3人。

 

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新人の相馬がキャベツを食べていました。

 

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少し片付いた稽古場。

 

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最後の通し稽古。

 

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険しい壁に取り組む代表。