果実 札幌公演終わりました。

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すっかりブログから遠ざかってしまいました。
お疲れ様です。
残暑が厳しいざんしょ。と言うわけで、9月になっても暑さの粘りが嬉しい札幌です。
 
  
8月27日土曜日、弦巻楽団#25「果実」は無事に全10ステージを終演しました。

 

果実特設サイト

http://tsurumakigakudan.wixsite.com/kajitsu

(特設サイトリンク)
 
 
13年前書いた台本にこうしてまた取り組めたことを嬉しく思います。偉い、かつての俺。
主役がダブルキャストと言うシビアな環境の中、深浦も村上もよくやってくれました。それぞれがそれぞれでしか無い桃太郎でした。打ち上げでは口を開けば「辛かった辛かった」と二人とも漏らしてました。
こんなに全面的に役者としての力を比較される状況も無いでしょう。俺なら嫌…と言うかすぐ諦めるかも。
 
 
前回の記事でも書いたように、演出はほとんど変えませんでした。
桃太郎の動きや、所作は、基本的に全く同じ。一箇所を除いて。
だからこそ、2人の本質的な違いが、演技の根底を形成する本質がよく出た気がします。
それは周囲にももちろん波及します。
言葉の、反応の違う相手に同じ演技をする。同じ筋書きを辿る。
そんなアクロバティックなことに取り組んでくれた6人に感謝です。
  
  
特に杏役の塚本さんは全篇桃太郎君としか絡みません。
稽古の過程で紆余曲折ありましたが、やはり役者が変われば杏が胸に秘めてるものは違うように見えました。そこに恋心があるとして、それは友情のようなものか、先輩後輩の憧憬のようなものか。そんな違いです。
両方見た方には、違いがハッキリと感じ取れたんじゃないでしょうか。
そんな声もありがたいことに沢山いただきました。
 

 

『果実』札幌公演 感想まとめ

http://togetter.com/li/1015394

 
そんな声の一つをご紹介。
演劇公社ライトマンの田村君が個人的に感想のメッセージをくれました。
それが今回の二つのヴァージョンを良く表している気がするのでここで開陳。
田村君、ありがとう。
 
 
『果実、面白かったです。最近の作品からどうなるのか楽しみだったんですが、深浦くん版は正にそういう果実でした。最後のさよならの深みがすごい。
村上くん版は瑞々しさがありました。区切りがついてない分、最後のカタルシスがドバッて。やっぱりこういうの期待しちゃうとこはあります。
両方楽しませていただきました。』
 
 
 
弦巻楽団らしい取り組みになったと思います。
過去の再演を観てくれた方から「台本変えた?」と聞かれました。沢山の人に。
いいえ、変えてません。少し削っただけです。変えたのは演出です。
 
 
『四月になれば彼女は彼は』『サウンズ・オブ・サイレンシーズ』
で取り組んできたことを持って、『果実』に臨む。新しい方法論を持ってこの13年前の戯曲を解体し、再構築する。
舞台の上にどうすれば『物語』は成立するのか。架空の世界はどうしたら「そこにあるもの」として受け入れられるのか。リアリズムで武装することか。ファンタジーで塗り固めることか。虚構であることを告白することか。シラを切りとおすことか。
人間がそこにいると、どうしたら許してもらえるのか。
数多の演劇人が取り組んできた命題に、今、2016年の自分が考えるわけです。
誰かが出した答えじゃ駄目なんです。自分で出さないといけない。そうじゃないと、その舞台は「愉快なエンターテイメント」の複製で終わってしまう。
色んなものを検証し、更地にし、一つ一つ再獲得してきて、もう一度取り組んだのが今回の『果実』でした。手にしていたものは「観客を排除しない役同士の関係性の結び方」。ここ数作と違いドラマチックな粗筋であり、登場人物が内面を語り、吐き出す『果実』と言う作品でどこまでそれが通用するか。我々の演技はどこまで食らいつけるか。
 
 
そんな試行錯誤の果てにあの舞台があります。ただ、観客の皆さんにはそうしたトライや背景を知っては欲しくない。目の前に現れている舞台だけを眺めて欲しい。
「愉快なエンターテイメント」で構わない。
 
 
良くない例え(笑)ですがミネラルウォーターみたいなものです。
その水は、一見普段目にし口にする水と何の変わりもない。
飲んでも味も変わらない。
しかし!(笑)、実はその水のある成分が!!(笑)、
とても高濃度で!!!!!!(笑)、
飲んで、体に染み込む過程で大きく違う…。
あなたの身体と心に大きな変化を、知らないうちに与える。
そんな舞台を目指してました。(毎回そうだとも言えますが)
 
 
今回、そんな演出に大きく力を与えてくれたのが藤沢レオさんの美術です。
レオさん自身の言葉で、今回の美術の意図をこう語ってくれました。
 
 
『……そういえば、今回の美術主旨について、あまりご説明していなかったと思いますが、イメージはドラゴンボールの精神と時の部屋です(笑)
意味合いとしては彼岸や野辺という場所性を示しています。
演者が強烈に躍動するので、その対極をつくろうと思いました。
両太郎対談で弦巻さんがおっしゃていた「悲しい話は明るく喋ってるのを見て人は悲しくなるんだよ」ってことだと思うんですが、観客の感情の振れ幅を大きくしたいと思い、演者の躍動がより強く、杏の笑顔がより儚く見えるようにしようと思いました。対極が同居することで双方の命(存在)がより鮮明にならないか。という試行です。
また、ベッド、床に若干反射しやすい生地を使用したのは、一瞬でもすべてが光り輝くすべてが同居する風景が生まれないかな。というこちらも試行です。
それは舞台上におこるすべての感情と情景の肯定をしたかったためです。死を背負う命の矛盾を肯定したいがためです。』
 
 
まさに、その通り、僕たちはレオさんの用意した『精神と時の部屋』で、
あがき、のたうち、抵抗し、傷つき倒れました。レオさんの美術によって、物語の奥行きが一気に視覚化し、深まったと思います。
 
 
一本観劇した後に、「もう1人の主役も観たい!」と追加でチケットを購入される方が想像以上にいて、多い方で結局4回足を運んでくれた方もいました。
そして、想像以上に過去の再演、再再演、あまつさえ初演(!)を観てくれていた方が足を運んでくれました。
賛否もあります。そうした回答や感想を一つ一つ受け止めていきたいと思います。
 
 
弦巻楽団としても過去に無い大勢のお客さんに観てもらえました。参加作品ではなかったのですが、札幌演劇シーズンを始めとする、札幌での演劇への関心の高まりを肌に感じた一週間でした。
いろんな人の道の果てに自分たちが立っている。
生きること、死ぬこと、存在すること、消えること、そして繋がっていくこと。
そんな果実のテーマが、全体で象徴された本番でした。
 
 
しかし、終わりではありません!
そう、9月29日には昨年に引き続き帯広公演が。 

 

帯広公演詳細!

http://obihiro-foundation.jp/info/14430.html

 
 
台風の影響で北海道、特に道東は今大変な状況です。
みなさんの無事をお祈りしつつ、月末お会いできることを願っています。
劇場で、お会いしましょう。

 

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進撃の深浦。

 

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これが

 

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こうなっていきました。

 

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傲慢な枢機卿が献身的に仕込みのお手伝いをしてくれました!(バラシまで!)

 

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劇場入りしてから10箇所刺されました。

 

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キャベツを食って自分を落ち着けてます。

 

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自分と自撮りするなおみん。

 

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名場面集。

 

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一度だけ舞台に立った人。21日昼の回をご覧になった方、ありがとうございました。

 

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杏とあんず。

 

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キャベツ依存症。

 

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13年前の桃太郎、立川が来てくれました。さすがに鮮度(?)が落ちてます(笑)

 

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ホエイの山田百次さんが観に来てくれました。東京での『サウンズ・オブ・サイレンシーズ』アフタートーク以来です。ありがとう!百次!!

 

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名古屋のニシムラさんも観に来てくれました!(しかも両バージョン!)ありがとうございました!!

 

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サンピアザ劇場。

開幕すぐは雨の日が多かったですが、後半日程はどんどん天気が良くなりました。夏を逃がさない!

 

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ヒロインを取り合う二人。

 

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次は帯広だ!!