映画『ア・フュー・グッドメン』や『ソーシャル・ネットワーク』で知られる脚本家アーロン・ソーキンによる傑作戯曲 “The Farnsworth Invention”の日本初演。日本を代表する翻訳家・青井陽治が亡くなる直前に「これをいつか上演して欲しい」と弦巻に手渡した未発表の翻訳を使用。出演は弦巻楽団の劇団員に、豪華俳優陣を迎えたオールスターキャスト。劇団の集大成となる舞台となった。
鬼才アーロン・ソーキンによる実話に基づいた傑作戯曲 “The Farnsworth Invention” 弦巻楽団の手により、日本初演!
“The Farnsworth Invention” は、映画『ア・フュー・グッドメン』や『ソーシャル・ネットワーク』で知られる脚本家アーロン・ソーキンの代表作の一つ。テレビ開発の歴史を実話を基に描く本作は、2007年にブロードウェイで上演されました。
ニール・サイモン『裸足で散歩』(2016年)、アリエル・ドーフマン『死と乙女』(2023年)など、これまで数々の海外戯曲を手掛けてきた弦巻楽団が、2024年11月、日本初演を行います。
日本を代表する翻訳家・青井陽治が亡くなる直前に「これをいつか上演して欲しい」と弦巻に手渡した未発表の翻訳を使用。演出家・弦巻啓太の一つの到達点となる舞台です。
出演は弦巻楽団の劇団員に、豪華俳優陣を迎えたオールスターキャスト。主人公である天才科学者フィロ・ファーンズワースを、これまで何度も弦巻楽団の舞台を共に作り上げた遠藤洋平が演じます。
初日を迎える2024年11月21日は「世界テレビ・デー」。テレビの発明をめぐる二人の《インヴェンション》の日本初上演をお見逃しなく。
1921年夏、14歳の天才少年フィロ・ファーンズワースは、誰も成し遂げていなかった「完全電子式テレビの設計図」を考案する。彼の描く革新的な技術は、当初多くの大人たちから真剣に受け止められていなかった。
しかし、彼の世界初の実験が成功したことで事態は急転。
彼の成功は、やがて大企業RCAの社長デイヴィッド・サーノフとの間に長期にわたる争いを引き起こすことになる——。
出演
遠藤 洋平(ヒュー妄)
村上 義典(ディリバレー・ダイバーズ)
深浦 佑太(ディリバレー・ダイバーズ)
井上 嵩之(→GyozaNoKai→)
田村 嘉一(演劇公社ライトマン)
岩波 岳洋
相馬 日奈(弦巻楽団)
木村 愛香音(弦巻楽団)
イノッチ(弦巻楽団)
高橋 咲希(弦巻楽団)
髙野 茜(弦巻楽団)
来馬 修平(弦巻楽団)
温水 元(満天飯店)
町田 誠也(劇団words of hearts)
日程
2024年11月21日(木)〜24日(日)
全7ステージ
会場
生活支援型文化施設コンカリーニョ
スタッフ
脚本:アーロン・ソーキン
翻訳:青井陽治
演出:弦巻啓太
音楽:加藤亜祐美
舞台美術:高村由紀子
照明プラン:山本雄飛
音響:大江芳樹(株式会社ほりぞんとあーと)
衣装:相馬日奈(弦巻楽団)
衣装協力:佐々木青
宣伝美術:勝山修平(彗星マジック)
ライセンス:シアターライツ
特別協力:土屋誠(カンパニー・ワン)
制作:佐久間泉真(弦巻楽団)
主催:一般社団法人劇団弦巻楽団
助成:芸術文化振興基金
後援:札幌市、札幌市教育委員会
協力:さっぽろアートステージ2024実行委員会、札幌劇場連絡会
気がつけば第40回公演です。ここまで弦巻楽団を応援してくださった皆さんに感謝いたします。
なんとかやって参りました。挫折や小さな絶望を繰り返し、時折訪れる福音のような奇跡に導かれながら、40公演。活動も少しずつ形態や領域を変え、今年は初の沖縄公演を行い、そして今作は本邦初演となる海外劇作家(しかも超メジャー級の大家)による脚本です。
代表自身が脚本家でありながらそんな活動をしている劇団、なかなかありません。
『ファーンズワース家の発明』と題された脚本を手渡されたのは2017年の春、東京ででした。
せんがわ劇場近くのカフェでお会いした青井陽治先生はおもむろにカバンからこの脚本を取り出しました。「面白いと思ったら、いつかやって。」「ありがとうございます!」
それが青井さんとお会いする最後になりました。そして7年が過ぎました。
先日指導している高校演劇部が大会に参加しました。自分が現役の時と同じ会場です。30年前のことです。30年経って、同じ会場で演劇をしている! 眩暈がしました。
今作は弦巻楽団のこれまでの節目となる作品です。劇団員と、劇団員以上にここまで一緒に舞台を作ってきたここ札幌で活動する俳優が集結してくれた、総決算と言える舞台です。10年近く、人によっては20年近くともに創作してきたメンバーです。彼らと共に創作を重ねる中で、少しずつ『ファーンズワース家の発明』を上演できるかもしれない、という想いが高まってきました。いつかは、いま。
テレビを開発したフィロ・ファーンズワース。全米のメディア王デイヴィッド・サーノフ。
二人の人生が交互に描かれるこの作品のタイトルを、原題に倣って二声の鍵盤楽曲という意味を持つ「インヴェンション」を残すことにし、『ファーンズワース・インヴェンション』としました。
絡み合い、混ざることのない二つのメロディ。
喜劇でもなく悲劇でもない、発展の影に隠された奪い合いの歴史。
この言いようのない苦味と痛みに満ちた物語を2024年の今上演できる幸運に感謝します。
どうか、ごゆっくりお楽しみ下さい。
弦巻 啓太
当日パンフレットより