演技講座「舞台に立つ」『タイタス・アンドロニカス』(2025年)

OVERVIEW

毎年恒例の弦巻楽団演技講座シェイクスピア・シリーズ。2024年度は、彼の作品の中でもひときわ異彩を放つ、凄絶な悲劇を上演。復讐と裏切りが渦巻く物語は、あまりに残虐で暴力的だと評価が分かれる問題作。人間はなぜここまで残酷になり得るのか。

作品について

舞台は古代ローマ。ゴート人との長年の戦いに勝利し、息子たちとともに凱旋した将軍タイタス・アンドロニカス。しかし、タイタスがローマ市民からの支持を得ていることに腹を立てた先帝の息子サターナイナスと、息子を生贄にされた復讐に燃えるゴートの女王タモーラによって、自身の息子たちと娘の命や尊厳を次々に奪われてしまう。

絶望と悲しみの淵でタイタスが選んだ結末とは。
復讐が復讐を呼ぶ悲劇の先に見えるものは、一体何か。

公演概要

出演

秋山航也
荒木柚音
石田琉衣
伊藤優希
河辺颯士
紺田晴香(北海学園大学演劇研究会)
高橋友紀子
田代未来
月田柚希
中村文子
橋本快斗
藤田恵未
古川悠
横串さゆり
吉村佳介
吉井裕香

高橋咲希(弦巻楽団)
来馬修平(弦巻楽団)

日程

2025年3月22日(土)〜23日(日)
22日(土) 14:00/18:00
23日(日) 13:00/17:00

※全4ステージ。
※各開演時間。開場は開演の30分前。
※上演時間は約130分。

会場

扇谷記念スタジオ・シアターZOO

スタッフ

脚本:ウィリアム・シェイクスピア
翻訳:松岡和子
演出・指導:弦巻啓太
照明:中森彩
宣伝美術:みきと 
衣裳・小道具・演出助手:弦巻楽団演技講座2024年度受講生
制作:弦巻楽団演技講座2024年度受講生、佐久間泉真

後援:札幌市、札幌市教育委員会
主催:一般社団法人劇団弦巻楽団、公益財団法人北海道演劇財団、NPO法人札幌座くらぶ

舞台写真

メッセージ

 弦巻楽団演技講座、成果発表公演”舞台に立つ” 今年度は遂に『タイタス・アンドロニカス』です。2013年にスタートしたこの“舞台に立つ”という企画も12年(13年?)続いたことになります。お休みもありましたがほぼ毎年シェイクスピアに取り組んできました。

 12年経ち、様々なことが変わりました。劇団も、社会も、自分自身も。受講生も変化しています。毎年参加者が変わるので当然一人一人違うのですが、そうした意味とは別に、やはり大きなフレームで捉えて受講生という存在が変わってきている気がします。シェイクスピアという時代を超えた価値が証明されている戯曲に取り組むと、そのことが良く分かります。『タイタス・アンドロニカス』という戯曲を鏡にして、我々は舞台上に自分自身を表しているのかもしれない。

演技講座では毎回「集団創作だよ」と言っています。演劇なんてみんな集団創作でしょ?と思われるかもしれません。確かにそれはそうです。ただ、何を理念に“集団”が定義づけられているかは千差万別です。私たちが、あるいは弦巻楽団が何を持って「集団創作」ととらえているのか。なぜ「演技講座」という場でそれを重要視するのか。それも全て舞台上に現れていると思います。

この北の地で演劇に取り組む、シェイクスピアに取り組む厳しさ難しさは12年前から何も変わっていない気がします。いえ、むしろ増しているかもしれない。

そんな中お互いを信じ、ぶつかり、創作に打ち込んできた受講生の姿をぜひご覧ください。
饗宴の幕開けです。
ごゆっくり、お楽しみください。

弦巻啓太(当日パンフレットより)

感想