#2『幻じゃなく、夢のようなだけ』(2006年)

OVERVIEW

弦巻楽団が本格始動してから初めての公演。愛と、笑いと、殺意と、憎しみと、やっぱり笑いと、謀略と、馬鹿馬鹿しさと、怒りと、絶望の、おっと、それでも愛を謳い上げるピカレスク・コメディ。

作品について

山深い中にある山荘。過去に酷いふり方をした大島草二を追いかけ、復讐をしに来た杉野そよりは、隙を見て草二へナイフを向ける。しかしそこにいたのは、双子の兄である恋愛小説家の樹一郎であり、草二は既に亡くなっていた。樹一郎は、草二の妻であり病を持つ日夜子のために、弟として彼女と暮らしていたのだった。そこへ樹一郎の友人やそよりの妹などが現れ、今まで平穏と思われた彼らの生活が少しずつ歪み始めていく。

公演概要

出演

東菜穂(yhs)
知北梨沙
石崎真弓
安福展子(Real I’s Production)
立川佳吾(ラビカ)
飯野方大

日程

2006年6月23日(金)〜25日(日)
全5ステージ

会場

演劇専用小劇場BLOCH

スタッフ

作・演出:弦巻啓太
演出助手:川瀬佳奈江(劇団回帰線/Real I’s Production)
舞台:潮見太郎(劇団SON’s SUN)
照明:相馬寛之、吉江和子
音響:橋本一生(ISSUE/yhs)
衣装:アキヨ(jellyfish)
制作:石上エリ
制作協力:道塚舞

メッセージ

ご来場のみな様、初めまして、もしくは、お久し振りです。

思えば、 “劇団外の人達とも芝居づくりをしてみたい”と臨んだ第1回公演から、はや3年。気がつけば今回の稽古中に、30才を迎えていました。

楽団と名付けたのは“今は誰も使ってないけどその内使われそう”だったのと、音楽がとても好きだったからです。自分では演奏できないので、演劇で音楽を奏でられたら素敵だなーと思ったのです。

3年の間に劇団を退き、今回がゼロからの再スタートだと思ってましたが、当たり前のように、この制作課程で自分がゼロじゃないことを実感しました。

あ、けして良い話だけでは無く。それでも、無駄なことなんて何も無いんだと思います。今回の作品に出演してくれた6人に感謝を。携わってくれた全てのスタッフにも。手伝ってくれた全ての方に。心からの感謝を。

後は本番だ。最後迄、楽しんでやろう。

そして、見に来た人を怒鳴りつけるような演劇に神の平手打ちを。嘘ぶいてるだけのお芝居に踵落しを。

勇気を持って言えば、意味のある演奏がしたいのです。心が軽くなるような。ごまかすことのない、真拳な、血の通った作品を。カッコつけて言えば、エリントンのように始めたいのです。“ Love You Madly!”、と。

それでは、間もなく開演です。ごゆっくり、お楽しみ下さい。

弦巻啓太(当日パンフレットより)