#3『死にたいヤツら』(2006年)

OVERVIEW

「近松門左衛門で遊ぶ」をテーマにしたコメディ作品。「遊戯祭06」で最優秀賞、「TGR 札幌劇場祭2006」で大賞を受賞。初めての劇団代表作として、弦巻楽団の本格始動を決定付ける作品となった。

作品について

近松門左衛門を研究していた大学教授・竹本信盛が急逝。自宅では残された妻と、妻の妹、元家政婦、信盛の同僚、教え子達が集まって四十九日法要が行われていた。思い出話をしていたところに、弁護士と名乗る一人の男が現れ、信盛の遺言状を預かっているという。「自分の財産2億円を我が最愛の愛人へ譲り渡す」という内容を聞いた途端、自分が愛人だと名乗り出る4人…。近松作品に絡めた愛人探しが始まる。

受賞
  • 遊戯祭06~死ぬ気で遊ぶ!近松門左衛門祭り 最優秀賞
  • TGR札幌劇場祭 2006 大賞

公演概要

出演

知北梨沙
温水元(満天飯店)
渡邉ヨシヒロ(劇団遊劇社)
梅津学
谷藤夏紀
石川藍
吉江和子

日程

2006年11月1日(金)〜4日(日)
全3ステージ

会場

ターミナルプラザことにパトス

スタッフ

作・演出:弦巻啓太
照明:相馬寛之
音響操作:小林花絵(かなぎ堂)
舞台監督:岩ヲ脩一

メッセージ

みなさんこんにちは。

弦巻楽団、代表の弦巻啓太です。台本を書き、演出をしています。

「楽団」と名乗っているのは、音楽のようなお芝居がしたいからです。出来たら素敵だなと、いつも心掛け、作品作りをしています。

今回は「近松門左衛門で遊ぶ」と言うテーマだったので、言うなれば哀切極まり無いバラード、中島みゆき的恨み節だなと鼻息荒く臨むつもりでした。

勿論(僕にとっていつものことですが)、幸運なアクシデントと様々な不可避の出来事によって方向性は大きく当初の予定を逸れ、中島みゆきはスウィング・ジャズに、そしてピ・バップを経て狂乱のジャンプ・ブルースへと変遷し、やがて西海岸のヒップホップ(サイケデリック!)と90年代渋谷系に流れ着きました。

ああ、また僕の余計な知ったかぶりが始まった。大体作者に余白を与えちゃ駄目ですね。作品以上のことを今更語れる筈も無いんですから。

でもまあ、近松も辞世の句で自分のことを「もの知りぶって、実際は何も知らない恥ずかしいヤツ」と言ってますから、おしゃべりな作者の宿命と諦めましょう。

本日はご来場いただき本当にありがとうございます。

ごゆっくり、お楽しみください。

弦巻啓太(当日パンフレットより)