#7『ローリング・サンダー』(2008年)

OVERVIEW

マンガ家のいる現実とスクリーンに映し出されたマンガ、更にマンガの中の登場人物が、舞台上で同時進行しながら交錯していく実験的な作品となる。「教文演劇フェスティバル2008」小ホール公演参加作品。

作品について

時は20XX年——売れないマンガ家、木下睦月は出版社から新作のテーマを強要される。“売れて売れて売れまくるパーフェクトな少女マンガを描け!”
血と汗とバイオレンスを愛する睦月は、レディコミしか描けないアシスタント、恋愛依存症の編集者、言うことを聞かない登場キャラクター、そして自分のプライドに振り回されながら、「究極のラブストーリー」を生み出すべく筆を握る!!女の子の瞳に輝く星を入れる!…バレないように、己れの信念を盛り込みながら…。
果たして、パーフェクトな少女マンガは完成するのか!?

公演概要

出演

佐藤春陽菜
石川藍
小林花絵(かなぎ堂)
塚本智沙
鈴木祥子(CAPSULE)
塚本雄介
楽太郎
佐井川淳子(WATER33-39)
伊東真澄
イシハラノリアキ(yhs)
小林エレキ(yhs)
知北梨沙
石崎真弓

日程

2008年8月14日(木)〜15日(金)
全2ステージ

会場

札幌市教育文化会館 小ホール(教文演劇フェスティバル2008 参加作品)

スタッフ

作・演出:弦巻啓太
演出助手:下家弘、潮見太郎
舞台監督:上田知
照明:高橋正和
音響:橋本一生(ISSUE/yhs)
美術:高村由紀子(FUKUDA舞台)
スライド操作:畠中朝香
衣装:佐々木青、小野寺ゆい、谷藤夏紀、山崎美世
漫画:恵三朗
制作:石上エリ

メッセージ

本日は弦巻楽団#7『ローリング・サンダー』にお越し頂き、ありがとうございます。

世界的なスポーツの解典にも、北のロックフェスにも負けずに熱く盛い上がっていきたいと思ってます!

今作は「少女漫画」を巡る物語です。これもいつものとおり、直感で引っかかった顕材です。僕の場合「あ、面白そう」とかではなく「これだ!」と思えたかどうかが大事です。きっと「これだ!」と感じたからには何かあるんです。中国でオリンピックが開がれる事や、戦争が続いてる事や、石油の値上がりや、夢中になれるアイドルがいない事や、何やかや、そう言った事象もヒリヒリと(またその事象が現す深層を)感じている自分が「これだ!」と思える何かが。

考えてみると、「クリエイター」をこれだけじっくり扱った作品は初めてです。そのせいか、脚本を読んで「弦巻、こんなこと考えているのか…」と思った役者がいたとかいないとか…。ふふふ。そんな簡単に「作者自身」は投影できません。自分がまだ見えない32歳ですもの。

「才能」ってなんだろうって考えてます。僕は(楽団代表としては衝撃のカミングアウトですが)音楽の才能がまるでありません。ただ、才能のあるなしとは関係なく、「届く」作品を作ろうといつも思います。あなたが呼吸をしてる場所と、僕らの呼吸してる場所が繋がってる事を願って。できるだけ面白く、できるだけ誰にでも楽しめる、そして何より、誠実に。ホントです。

表向きには、弦巻楽団はこれまで様々なスタイルの作品を上演してきました。それは2人の楽団員の性格と、脚本家の趣味と、関わってくれた沢山の参加者の影響でそうなってきました。これからは、もう少し「楽団スタイル」を確立していきたいな…と思ってます。具体的に方向性があるわけじゃないんですが。目指すは、「友達を誘いやすい劇団」です!本気です!もし今回気に入って頂けたら、自分だけのお気に入りにしたい気持ちをぐっと抑えて、次は趣味の合うお友達も誘ってください。がっかりさせません。…きっと。

本当に、楽しんでもらえたら本望です。僕たちも、最高に楽しむ気合は入ってます!皆でエンジョイしましょう!!オリンピックと戦争が同じ日に始まる、このねじくれた現在、楽しむ時間を作る事(自分たちで生み出す事)は、とても大切なはずです。#7『ローリングサンダー 』は間もなく開演です。

いつも、本当にありがとうございます。ごゆっくりお楽しみください。

弦巻啓太(当日パンフレットより)