#10『十二月組曲』(2009年)

OVERVIEW

ジングルベル。ジングルベル。記念すべき第10回公演。12月1日から26日までの物語を、当時実際に起きた事柄を織り交ぜながら、30名ほどのキャストと35ものシーンで構成。一つ一つのシーンがそれぞれに進行していくが、組曲さながら最後にはひとつに纏まっていく。

作品について

2000年12月。近づく二十世紀最後のクリスマスに浮き足立つ人々。老舗和菓子店の 一人娘である女子高生・六花(りっか)は、実家が和菓子屋であるために、クリスマスに ケーキを囲んで楽しんだことがない。今年も父・千秋と母・百(もも)がはしゃぎながら「ケーキだ!」と差し出したのは、羊羹だった。怒る六花は決意する。「今年は手作りケー キを作る…彼氏のために!!」そこからアルバイトを始め、洋菓子教室に通い始める六花。 そしてそれを取り巻く人々にも、クリスマスに向けてさまざまなことが起こっていた。

その街は12月、白い雪に包まれる。
急ぐ人、待つ人、眠る人、笑う人、祈る人、復讐をする人。
一年の終わりに、想いを遂げようとする人々が交錯する。

──神様、奇跡をお与えください。

公演概要

出演

石川藍
佐藤春陽菜
塚本智沙
塚本雄介
楽太郎
茅原一岳
藤谷真由美(苗穂聖ロイヤル歌劇団)
棚田満(劇団怪獣無法地帯)
佐井川淳子(WATER33-39)
橋本久美子(SEVENS LOVA)
丸山將(Massive 4tsp.)

ほか

日程

2009年12月3日(木)〜8日(火)
全7ステージ

会場

扇谷記念スタジオ・シアターZOO

スタッフ

作・演出:弦巻啓太
演出助手:山崎亜莉紗(Massive 4tsp.)、小林泉
照明:稲田桂
音響効果:丹治誉喬(Back Ground Dogs/yhs)
宣伝美術:石上エリ
制作:弦巻楽団
主催:弦巻楽団、北海道演劇財団、NPO法人TPSくらぶ
共催:札幌劇場連絡会、さっぽろアートステージ2009実行委員会
後援:札幌市

メッセージ

本日は、弦巻楽団#10『十二月組曲』にお越し頂き、誠にありがとうございます。あっと言う間の師走、気がつけば2010年がすぐそこに迫っております。一年の終わりを前に、妙に神妙な気持ちになって、心残りを果たそうとしたくなり、すぐに諦めて胸に仕舞い込み、流れる時に身を任せ、ブルーに浸る今日この頃です。

弦巻楽団はめでたく#10を迎えました。特に今年は#8 1/2公演で名古屋へ飛び、若手企画「間奏曲#1」にトライし、つい先々月は#9で帯広にまで行って来ました!(そして雪の峠を越えて帰って来ました)なかなかです。得たものも、失ったものも多い一年でした。それでも、#10ということで、記念の「感謝祭」的な作品にしたいと思ってました。

得たものも、失ったものも確かにある。無傷ではない。むしろ、僕たちはここまで傷つけあい、心臓の穴から血を流している。それでも、何とかまだ同じ場所にいる。そして、みなさんの前に立つ。みなさんの前に立っている。

政権が交代し、ポップの王様が逝去した、ただならぬ、波乱に満ちた一年でした。僕にとって、2009年は、2001年と2003年に次ぐインパクトのある年となりました。みなさんにとっては、どんな一年でしたか?

今作の舞台は、西層2000年です。2000年、何をしてましたか?愛し合ってましたか?一人でしたか?悲しみに暮れてましたか?夢を見ていましたか?何かが、それでも良くなると思っていましたか?

今年最後の弦巻楽団です。ごゆっくり、お楽しみ下さい。

弦巻啓太(当日パンフレットより)